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脊椎脊髄手術は安全が第一。

整形外科 廣藤 榮一田北病院

 脊椎(骨)や脊髄(神経)の病気で悩んでいる患者さんにとって、心配なことや不安なことは、まず病気の自然経過、即ち放置すればいかなる運命をたどるのか、寝たきりになりはしないかということ、次に手術以外の治療にはいかなるものがあるのか、最後に手術をするとなれば回復はどの程度期待できるのか、また安全性は保障されるのかといった問題点であろうかと思います。
 私達の病院ではこれらの患者さんの問題点について的確に説明しております。もし承諾していただければ、次に治療法を選択するのですが、非手術療法としては薬の治療や各種のブロックや、リハビリなどが含まれます。最近では整形外科を受診せずに鍼灸や整骨院などの民間療法に走る人がみられますが、やはり正しい診断がなければ効果があがりにくいので整形外科をまず受診されることをお勧めします。
 次に手術療法ですが、最近では内視鏡や顕微鏡や金属を使ったインストゥルメンテーションが必要であるように世間を騒がしているようですが、患者さんの体の状態は多種多様ですので、一元的に決めるのには無理があるように思います。従って、患者さんも主治医にその問題についてはよく説明を聞いて納得される必要があります。私達の病院ではそれらの必要性が生じた場合には十分説明し、納得してもらっております。
そして、手術を施行する場合には一番重要なことは安全性であるため、安全性を期するために、手術中に脊髄の機能に問題がないか否かを確認するために術中モニタリングを必ず併用するように努めております。従って、術後の麻痺は経験しておりません。特に側弯症は奈良県一の患者数を経験しており、他府県からも多くの紹介を頂いております。
 このように、術前に患者さんの不安を可能な限り軽減し、手術を安全に確実におこない、術後も十分なスタッフにて患者さんの回復の手助けをおこなうことが、より満足度の高い治療につながると考えています。